燃え尽き症候群

先日、兵庫県で整体院を開業している友人がインフルエンザに罹り、症状は寛解したものの、そのままうつ状態に落ち込んでしまいました。

以下、友人からのメール~

「発熱した日には自力で治してやる!と意気込んでいましたが当然無理でした(笑)。

~熱は平熱に戻り、セキと痰、鼻汁だけというのに全くやる気がおこらず予約の電話が鳴るのが怖いという状態。
さらに人と話すことが嫌になりました。」


燃え尽き症候群は、対人援助職(医療・介護関係等)に多く見られるとされていますが、打ち込む対象さえあればそれに限りません。
多くは打ち込んでいる目標が達成された、もしくはされなかった時に極度の心身の疲労として発症しますが、なりやすい性格特徴としては真面目、完璧主義などが挙げられます。

当院にも看護士さんがケアの為にいらっしゃいますが、概してベテラン看護士さんはエンジンが焼き付かないよう自分なりの工夫をされていますが、“完璧な白衣の天使”像を目指す一途な新人さんには、逆に少し心配になります。

“燃え尽きない”ということは、最終的にサービスを受ける患者さんのメリットにも繋がりますので、それもプロとしての大切なスキルの一つなんだと思います。


で、私の友人ですが、周りのススメもあり“お休み”をとる事にしたそうです。

「結局、身体、感情、本能は“休みたい”のに頭で元気になったら“やらないといけない”と思ってたんですね。

吹っ切れると楽になるもので状況はどんどん好転していきました。こだわりや執着を捨てた瞬間がうつ脱出のターニングポイントでした。」

“休養”…近くて遠い答えです。


参考:『心理学辞典有斐閣

治療の成否は、治療家が自分自身の愛を継続的に汲み出せるかどうかにかかっている。

~おそらく最も重要なのは、治療家が自分の気持ちに素直に生きるということだ。とはいっても、完璧でなければならないという意味ではない。エリザベス・キューブラー=ロスのいう『わたしはOKじゃない。あなたもOKじゃない。でも、それでOKなの』といったほどの意味だ。

~自分に素直に、忠実に生きるということは、~自分が傷ついたときは自分の治療に専念してもいいということである。

~スーパーマンになる必要はない。自分も死すべき存在であり、脆い人間であることを認めればいいのである。


癒しのメッセージ―現代のヒーラーたちが語るやすらぎと治癒 
R.カールソン、B.シールド編 春秋社
   ~「すぐれたヒーラーとしての愛」B.シーゲルより