海と内なる子 その1

心と身体の結びつき。…よく言われる言葉ですが、何となく曖昧で、頭では分かっていても実感としては…湧きにくいですね。とは言え、例えば失恋してご飯がノドを通らなくなったり、緊張してトイレが近くなったり(これ、私です ^_^;)…といったようなことは、割合身近に経験されているのではないでしょうか。

 

 
先日、長年月経痛でお困りという30歳代の女性に、ご自身の身体の中の、いつも痛みが出るあたりに意識を向けてもらう、というワークをやってみました。

 

「それはどんな色・形をしていますか?」…といったような質問からはじめて、浮かんでくるイメージや感覚を観察したり、インタビューしてみたりするのですが、質問を続けていくと、その方の場合「常夏の海」というイメージが出てきました。ちなみに月経時にはその景色がどうなっているかというと「夜の暗い海、雨が降っている…」とのこと。

 

その答えを聞きながら、私は「○○さんの経験が役に立つんちゃうか!?」と考えていました。○○さん(30歳代女性)というのは、当院に来ていただいている方で、以前同様のワークをしたときには、はっきりとしたイメージがわかず「私、これ苦手です…」と仰っていたにも拘らず、その後実際に痛み(卵巣痛)に見舞われたときには、これもなぜか同様に海のイメージを使われて(女性特有の感覚なのでしょうか)痛みを緩和された、という方です(それも乗り換え待ちの駅のホームで!)。

 

月経痛の痛みだけは私が経験することはできませんので、○○さんに、“何かの参考になるかも知れないので、できればそのときの模様を詳しく教えてください”とお願いしたところ、ありがたいことに快諾していただきましたので、以下に引用させていただきます。
 

(↓↓以下、○○さんからのメール↓↓)

 

こんばんは。

私の経験といっても、ほんの数分のことでそんなに詳しくというものもないのですが、

確かにあのあたりから徐々に痛みから解放されてきましたし、
チョッとした事でも何か誰かのお役に立つなら・・・と思います。

キッカケは、先生に夢の話を聞いてもらったことでした。
夢の中で、鞄を忘れて探しているというものを何度か見たことがあって、
実際の生活の中でも、酔っ払って鞄を忘れたことがあると言った時に、
先生が「人からかまって欲しくて、わざと忘れているんじゃないですか?」と仰いましたね。
その時は、「ええ?」って感じでした。

そして、あの駅のホームで、いつもは決まって夜中に痛くなる卵巣が、
その日はなぜか帰宅途中に痛くなってきたので、先生の言葉を思い出し、
卵巣に向かって「かまって欲しかったんやね?」と問いかけてみました。
「そうかもしれない」と思えました。
私は、今はこんなですけど子供の頃は結構シッカリしていたのです。
親を手こずらせるような事はしませんでしたし、甘えたくても甘えないできたのだと思います。
親からあまりかまってもらえなかった、また自分自身も自分の欲求に素直になれなかった、かまって欲しかったという気持ちを押し込めてきたんだなぁと思ったのです。
そこまでいった時に、卵巣の痛みがこころなしか和らいだような気がしました(※1 痛みのピークを10とすると8くらいに)。

その日の夜に、その事をもう一度考えていて、母も同じような子供時代を過ごしていたのではないだろうかと思いました。
私だけでなく、母もまたその母に・・・などと。
そしたら、母にかまってほしかったと投げるのでなくて、私が自分で断ち切るべきなんだと思い、3歳の私(※2↓)と手を繋いで、海を見に行ってみたのです。
その時の海は、穏やかで静かな波が寄せる、季節で言うと初春の頃のような海でした。

※2:インナーチャイルド(内なる子ども)。潜在意識には善悪・過去未来の概念がないなど、まるで3歳児のような特性を持つといわれている。心理療法でよく用いられる。
 
海と内なる子 その2 へ続く…)