仮面(ペルソナ)

いつもスクーターで通勤しているのですが、風が心地いい季節になりましたね。

 

六月に入ったくらいから、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」という本を読んでました。

 

自分自身の感情にうそをつく(自己欺瞞:この本では「箱」の中に入ると表現されています)と、そのうそを正当化する必要性から、自分自身はおろか周囲の人たちまでもゆがんだ目で見てしまい、その結果望んでいない結果を引き寄せてしまいますよ、「箱」から出てみませんか…といった内容が物語形式で綴られているのですが、微妙なタイトルに油断していたこともあって、かなりやられました(笑)。

 

以前、摂食障害のみられる30歳代の女性に、「箱」ではないんですが「仮面(ペルソナ)」という言葉を使って、“円滑に社会生活を営む上でそれは便利ですし、必要だと思うんですが、あまりそれが分厚くなりすぎると、本当の自分の気持ちがわかりづらくなり(失感情症)、身体や行動に症状が出ることがありますよ」という話をしたことがあるんです。

 

するとこんなエピソードを話していただきました。

 

「あのね、私時々ストレス感じると、訳もなく勝手に“ニッ!”って笑ってしまうことがあるのね。何にも楽しくないのに。


誰も見てなくてもやるから自分でも不気味やねんけど(笑)。今思い出したんやけど、小っちゃいときに近所にどうしても一人でお買い物に行かないといけなくなったのね。なんとか店の前まで来たけど、“どうしよ~”って中をうかがっててん。


そしたら店のおじちゃんと目が合ったんやけど、緊張して固まってしまってどうしても言葉が出ないのよ(笑)!ムッチャ焦って思わず“ニッ!”って笑ったらおじちゃんから話しかけてくれて、結局私が何にも話さなくても買い物が無事に済んじゃったの。


そんなんもあって、意味もなく今でも“ニッ!”ってするのかな?(笑)」

 

ひょっとすると成功体験として潜在意識に刷り込まれていて、大人になってもプログラムは生きていたのかもしれませんね。

 

(※この方は自分の感情にしっかり向き合われた甲斐あって、数回のセッションで摂食障害を克服されました。)

 

「いったん自分の感情に背くと、すべての思考や感情が、何をしようと自分が正しい、と主張し始めるんだ」


自分の小さな「箱」から脱出する方法  』アービンジャー・インスティチュート著 金森重樹監修 大和書房刊