must(…ねばならない )を捨てたお母さん
定期的にいらしていただいている40歳代の女性から、あることがきっかけでお子さんのアトピー(と、夜中にお母さんを困らせる行動)を改善させたお話を、お願いして後学のために聞かせていただきました。
私 「…症状が変わりだした(春先)前後で、薬とか対処法とか何か変わったことってあるんですか?」
女性「…(う~ん)あるとすれば、それまではずうっとあの子のことが、私に似てすごく不器用で(笑)、うまく感情表現できないのがものすごく歯がゆかったんですね。それでついつい私も色んなことを言い過ぎちゃって…。
“親っていうのはこう(あらねばならない)!、こどもはこう(あらねばならない)!”みたいなのが私の中で強過ぎたのかな…。
それが(仕事や趣味で)たまたま色んな年代の人たちに出会うことがあって話を聞くうちに、段々私がずっと思い込んできた「こう!」は絶対じゃないんだ、あの子の感情をうまく表現できない不器用さも、逆にあの子の心の豊かさの表れなんじゃないかな、と自然に思えるようになってきたんです。
…そう思えるようになっただけでも“良かったなぁ”って思ってたんですけど、それ位から不思議とあの子の(症状の)方もしだいに良くなりまして…夜の(行動の)方は全く出なくなりましたし、ステロイドももう最近では塗ってないんですよ(笑)。」
確かに『must(…ねばならない)』という言葉は、何か目標を達成したり、責任を果たす上で、前に進ませる強力な動機付けをもたらす言葉ではありますが、時に、余りに強く働きすぎると逆に窮屈さを招き、意図したのとは反対に働いてしまう言葉でもあります。
私 「…スッゴイですねぇ(思わず拍手)!!」
女性「いえいえ、まだまだ(症状の)波はありますし、色々葛藤もあるんですけれど…ハイ (#^.^#) 」
…親の意識の変化がこどもの症状に影響を与える。
よくサッカー中継などで「決定的な仕事」、なんて表現がありますが、もしこの方がお子さんの症状改善に果たされた「決定的な仕事」というものがあるとすれば、それはご本人も“自然に”という表現をされましたが、目に見えないご自身の心の中でなされたものなのでしょうね、すごく地味ですけど(特に薬などの処置は変えてないとのこと)。
もちろんそれまでの“色んな方々との出会い”という、強固な思い込みを崩す絶妙なお膳立て(パス)があってのことなんでしょうが、それもこの方が変化を受け容れる勇気、謙虚さがあったからこそ活きたんだと思います。
…やっぱり、スゴい!!
(勉強になりました、貴重なお話ありがとうございます)
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「~つまり人間は、相手が自分をどう思っているのかを感じることができる、これがポイントなんだ。
~自分が相手から、なんとかしなくてはならない問題と見なされているのか、操られているのか、策略を巡らされているのかが、わずかな時間でわかってしまう。
~人は、相手が自分をどう見ているかを感じ取り、それに対して反応するんだ」
『自分の小さな「箱」から脱出する方法http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=0limits-22&l=as2&o=9&a=4479791779 』 アービンジャー・インスティチュート著 金森重樹監修 大和書房刊より
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