残心(ざんしん)

6/13付けの『検査』でご紹介させていただいたBさんが吉報を持って来院されました。


 Bさんは昨年秋に胃ガンの部分摘出手術を受け、術後は二週間に一度、医師の診察と血液検査を受けて経過を観察しています。当院にはある方のご紹介で、昨年末から病院の診察を受けた日の午後に、術後のケアの為来院されるようになりました。


 で、今回のその吉報というのが、先週に受けたCT、胃カメラの検査は異常なし(ここまでは今までにもありました)、そして投薬治療の終了、さらに二週間に一度の診察、血液検査の終了をも主治医に告げられた、というのです。


…事実上「治癒」の告知です。


 ある意味、この日この瞬間の為に、Bさんはそれまでの自分自身を見つめ直すなど様々な努力を続け、私もセッションやメールを通じて私なりのお手伝いをしてきました。


しかしその吉報を聞いた瞬間、意外な事に、私から湧いて出たのは喜びを大きく上回る虚脱感でした。一体、この疲労感は今まで身体のどこに仕舞われてたの?背中に子泣きジジイでも乗ってるの!?…という位のヤツに一挙に襲われました。


以前(2/26付け)に燃え尽き症候群が“打ち込んでいる目標が達成された、もしくはされなかったときに極度の心身の疲労として発症~”と紹介させていただきましたが…、そのまんまでした(笑)。


少し迷いましたが、正直に自分が感じている事をBさんに打ち明けると、 「えっ、…私も(笑)。 主治医の先生にそう言われて、自分でもワケのわからんことをずっとペラペラしゃべってて、“ホンマにいいんですか?”“ホンマにいいんですか!?”って何遍も聞いてたわ(笑)。」


翌日、Bさんを紹介していただいた方からこんなメールが…



「~ここまでくるのは二人とも(Bさんと私)ほんとに大変だったと思うし、言葉通り大きな目標だったと思います。ただ、そのゴールというか目標って当たり前の日常に戻ること…なんだもんね。」


…そうでした。大事なのはこれから、呆けている場合じゃありません。 皆さんも何か打ち込んでいる目標が達成した、もしくはされなかった時には、どうかお気を付けください。(渦中にいる時には自覚がないものです。身をもって知りました。)


 



 「~この『残心』という言葉は、~すなわち、闘い終わったときも闘う最中と同様、かりそめにも安易に心を緩めるなかれということなのである。」


真理のひびき―天風哲人新箴言註釈http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=0limits-22&l=as2&o=9&a=4062082632より~