“行っちゃなら~ん!!”

“夏だから”というわけではありませんが、患者さんに話していただいた“あちらの世界(臨死体験)”のお話です。


・Kさん 75歳女性

Kさんは19歳のとき、重い肝臓病を患い、とうとうお医者さんにもさじを投げられてしまいました。
Kさんのお母さんは、わが子を救いたい一心で、お経を唱えながら数珠を持った手で、Kさんの紫色に変色した肝臓の辺りをさすったそうです。

すると、その瞬間にKさんの意識は遠のき、光に包まれたかと思うととてもきれいなお花畑に来ていました。
お花畑の向こうには大きな川が流れていて、河原には向こう岸に渡ろうとする人が順番を待って並んでいます。
ちゃんと一人につき一艘の船が迎えに来て、向こう岸に渡してくれるようです。

Kさんも、“並ばなきゃ…”と思い、列に入ります。
そしてとうとう、Kさんの番が来ました。

…と思いきや、

「お前は行っちゃならん!
 お前は行っちゃなら~ん!!」

という大音声とともに、空から大きな柱が降りてきました。
ともかくその柱にしがみつきます。
見上げます。

柱と思いしがみついていたものは…

お地蔵さまの錫杖(しゃくじょう)でした。


やがて意識を取り戻すと、肝臓の辺りの「ぐじゅぐじゅ」とした痛みが蘇ってきたそうです。
(その後、病は完治されたそうです)



・Mさん 56歳女性

Mさんは数年前、運転中大きな交通事故に遭われました。
気丈な方で、深手を負いながらも救急車を呼んだり、加害者の様子を見たり必要なことを終えたと思ったとたん、意識を失いました。

そして暗くなが~いトンネルを抜けると、やがてきれいな光に包まれた何もない空間に出ました。

漠然と「わたし死ぬんや」と、思ったそうです。

すると誰かがやってきます。
20歳のとき、交通事故で亡くなった大好きだった彼氏です。
再会できて、迎えに来てくれて、本当に本当にうれしかったそうです。

すると、

彼氏 「○○子はまだ来たらあかんで」

Mさん「何でよ!一緒に連れてってよぉ(泣)…」

彼氏 「お前は、まだ、…生きなあかんねん」


意識を取り戻す前、救急隊員が懸命に自分を蘇生させようとしている姿が見えたそうです。



…その話を聞いて、


 私 「すんごい体験されてますねぇ…!」

Mさん「でもね先生!話に聞くようなお花畑なんか私の時には出てきませんでしたよっ!!
     
    (私に詰め寄り)何でなんですかっ!!!」


え~っと、私に抗議されましても…(!?)