その臓器…、のびのび好き。

近頃暑くなってからは、疲労を訴えて来院される方に、肝臓のケアを施す機会が増えました。

今日は肝臓とストレスにまつわるお話です。


昨日、右股関節痛を訴えて来院された50歳代の女性。
趣味の太極拳の発表会が近いこともあり、最近炎天下での練習も増えていて、そのせいか股関節の痛みもさることながら、かなりお疲れ気味とのこと。

股関節痛自体は股関節周辺の筋肉調整でほぼ消失しましたが、最初に身体の状態を確認したときに気になっていた、足の甲にある太衝(たいしょう)という、肝臓のコンディションが反映されるツボの圧痛は残ったままでした。

肝臓の経絡(肝経)は足の親指に始まり、足の内側→股関節付近→体幹の前面→目を通っており、肝臓の機能低下が原因でルート上の股関節に痛みを生じたとしても、不思議はないと思われます。
(西洋医学でも、股関節のトラブルである大腿骨頭壊死の危険因子として、アルコールの多飲歴が挙げられています)

ただこの患者さんの場合、筋肉調整のみで痛みが消失した為、股関節痛と肝臓の状態との関連性は不明ですが、肝臓のコンディションを上げること自体はこの方の身体にとってメリットがある(疲労回復)と判断しましたので、患者さんにもその旨を伝え、経絡を使った肝臓のケアも施しました。


施術後、股関節の痛み、全身の疲労が和らいだせいかこんなことを漏らされました。


患者さん「…実はね、今練習が苦痛なんです。
 個人の練習は楽しいんですけど、団体演武の練習で自分が遅れて慌てたり、逆に自分が待ったり、…自分のペースでできないのがものすごくストレスになってるんです!」

 私 「(!)…これも身体の疲れと関係があるのかはわかりませんが、東洋医学では肝臓は“のびのび好き”で“窮屈嫌い”な臓器と言われてるんですよ。」


“~肝は伸びやかな状態を好む臓器ですが、長期間のストレスを受けたり激怒したりすると、肝気は鬱滞して正常な疏泄作用が主さどれなくなります。”
 ※疏泄作用:血や気がスムーズに流れるようにする働き
やさしい中医学入門http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=0limits-22&l=as2&o=9&a=4924954373』 関口善太著 東洋学術出版社刊 より抜粋~


患者さん「(!)それ…すごく腑に落ちます。」


ちなみに東洋医学では、深夜1時から3時が肝臓の時間帯になっています。

夏バテ気味の方、夜更かししてる私が言うのもなんですが、できれば午前1時(理想は胆のうの時間の11時)までに就寝されるようおすすめします。

ベタですが…、されど早寝です。