天災 その2

また日曜日に地震が起きました。

今度は三重県で、能登半島同様あまり大きな地震が起きにくいところだそうです。


揺れがあった正午過ぎには、私はちょうど施術の真っ最中でした。
しかも内臓整体をしている所で、受けている四十歳代の女性患者さんは天井向けに寝ている、というかなり無防備な状態です。

 私  「(!)揺れてますねぇ…」
患者さん「…結構揺れてますねぇ」

私自身は地震でそれほどパニックになる方ではないのですが、この整体院の建物がかなり古い家屋ということもあり、患者さんを守る立場にあるという状況が状況ですので、患者さんを慌てさせないよう患者さんの側に座りながら、患者さんに危害を加える可能性のあるものを、頭の中で猛スピードでピックアップしながら様子を伺っていました。

“…蛍光灯、カーテンレール、窓ガラス、火の気は…ない、幸い首までスッポリ毛布をかけているので、何か飛んできたら顔を中心にガードしたら大丈夫やろう。今動くメリットは…ない。”

それほど深刻な揺れだとは感じなかったので、患者さんを起こさずにそのまま様子をみていたのですが、気が付けば頭の中で、今椅子に座っている体勢から患者さんの頭部を中心に上半身をガードする体勢まで、一動作でベッドに飛び乗るイメトレをしており(笑)、それに合わせて椅子の位置を直したりしていると、揺れが治まってきました(結構色んなことを考えているもんです)。


そして、ここまできてあることに気付きました。

それはこの患者さん、…私の数倍落ち着いていたのです(笑)。

施術を受けていた状態から終始じっとされていたのですが、それは危機意識が薄いとか、恐怖のあまり動けなかったとかではなく、“ムダに動かず騒がない”ことを選んでいたようなのです。

確認したわけではないのですが、恥ずかしながら私がそのとき思い及ばなかったような、例えば出口までのルートや距離、そのときに障害になる可能性のあるもの…、といった必要な情報を仕入れて処理するスピードも精度も、おそらく私のずっと先を行っていたのでは、そんなご様子でした。


というわけで、私が受けた感じでは、患者さんの心はほぼ終始ぶれなかったようですので、施術の再開は私の平常心待ち、ということになりました。


「それでは揺れも治まったようなので(私のココロが!?)、再開しますね。」

「はい。」