当たり前で当然の、その先の人生…

昔、私が京都の映画村のチャンバラショーに出ていたころ、ショーを見たある小学生の男の子のお母さんから手紙をいただきました。その手紙によると、その男の子は映画村を観光した後、地元に帰るや自分から剣道を習いはじめたのだそうです。それも「僕も田中さんみたいになりたい…」と言ってくれたそうで。


「なんで…?オレ絡み(斬られ役)やのに…?」と気恥ずかしく思う一方、「でも、ちゃんと見ててくれたんや…うれしいなぁ…ホンマこの仕事やっててよかったなぁ…」と、正直、とても励みになったのを覚えています。


 


…で、時は流れて21世紀(笑)。


先週末に、開院当初からお付き合いのある40歳代の男性から電話をいただきました。何やらえらく思い詰めたご様子…



「先生、実は…お話してなかったんですけど…実は先生とお会いする以前から、先生のような整体の仕事に興味がありまして…」


「(はい!?)…」


「このまま今の仕事をやっててもいいんかなぁとずっと思ってたんですけど…(云々)…で、5年ほど前から自分が腰が悪いこともあって、色んな整骨院や整体院にも何軒か行ったんですけど、何か自分のイメージにしっくりこなくて…で先生とお会いして…」


「(何っ、この展開…!?)」


「…で多分…諸々うまいこといったら…先生が行ってはった学校の後輩になることになると思います!」


…マジですかぁ!?


以前から整体や心理カウンセリングが、こどもが憧れるような仕事になったらええなぁとは思ってましたが、まさか私より一回り上のオジ…(あ、スイマセン)。それにこの方、そんなこと今まで一言も言ってなかったもので…。


ただお話を聞いた瞬間、この方のお人柄から「あ、向いてはるんちゃうか!」と直感的に思ったのも事実ですし、今までこの方とやってきたセッションを思い返して、何か“パカッ”とパズルのピースがはまったような感じもしましたが、何分このご時世やし…どうなんやろ?


 


で、今週になって我が学び舎に体験入学に行かれたその方と、一昨日、お会いすることができたのですが…結論から言うと、ちょっと安心しました。


かなりの長い時間、話し込むことになったのですが、お会いしたその方の印象は、自分で下された思い切った決断への驚きと、そうなるのが当たり前で当然のその先の人生に立たれた、あまりにもの“違和感のなさ”への驚きとがない交ぜになったような、“キョトン”とした顔付きをされていましたが(笑)…今までこの方に感じたことのない心の静けさ、落ち着きを感じました。


もちろん茨の道であることに変わりないのでしょうが、もうそれは、周りが賛成するとか反対するとか、業界や世の中の景気がどうとか、しんどいか楽なのかとは関係のない、この方にとって、本当に当たり前で当然の道の上に立たれているかのようで…。


 


こうなったら私も出来るだけの応援をさせていただきます!


(とても光栄なことです。でも、驚きました!)