肩に降る雨~開院二周年に

今日、当院は開院二周年を迎えました。


二年目を振り返ると、色々な方に訪ねて来ていただいたり、私が訪ねたり、多くの出会いに恵まれました。ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。


中には、私がお役に立てたケースもあれば、私の未熟さゆえにお役に立てなかったり、満足いただけなかったケースも多々あったかと思います。そういった方々には本当に申し訳ありませんでした。


 


二年目の一番大きな変化としては、心理カウンセリングを積極的に導入したことだと思います。症状に心因的な要素が強く見られる場合、もちろん徒手療法である程度までは症状を追い込めるんですが、どうしてもその症状を成立させている“みなもと”(心)まではたどり着けず、追い込みきれなかったり、再発させたりしがちだったんですね。


徒手療法家というのは良きにつけ悪しきにつけ職人的な自負があって、私自身、両手を使わないで症状を改善させる、ということにかなりの抵抗があったのですが、より患者さんが治癒のプロセスに主体的に参加することで、どんどん自信をつけられるのを見るにつけ、本当にやってよかったと今では思っております。


 


今日は雨でした。つい4,5日前、たまたま私の頭の中では「肩に降る雨♪」という約二十年前の曲が流れてました(そういうことってありますよね)。中島みゆきさんの曲ですが、私が15歳でストレスからパニック障害になり(当時そんなこととはつゆ知らず)、部活をやめた頃に意味もわからず聞いていた曲です。


以前にもお話しましたが(1/17付:くじかれた勇気)、当時のことは私の中でかなりダークな部分として極力思い出さないようにしていたのですが、今思うと、あの凹み続けた、いいことなんて一つもないと思っていた経験が、心と体を扱う今の仕事に直結しており、支えになってくれていることを認めないわけにはいかないんですね。


私はこの曲のこともすっかり忘れていたのですが、潜在意識はちゃんと覚えてくれていました。辛い過去やもう1人の自分(潜在意識)と折り合いをつけるときに、患者さんにおすすめしているものとして、“ゴメンナサイ-ありがとうセット”というのがあります(笑)。


まず、自分の一部であるにも関わらず、不快な忌まわしいものとして避け続けた感情・出来事に“ゴメンナサイ”。


そしてず~っと嫌い続けた、そんな自分にも関わらず、いつもそばで影のように見守ってくれていたことに、どうも“ありがとう”。


潜在意識の中の“未処理”の課題を“処理済”にかえる方法の一つですが、本来こういうことは自分の身の内で済ますことなんでしょうが、ひょっとしたら誰かのお役に立てるかもしれませんので、私やとこうなりますというのを載せておきます。



「15歳の田中君へ


ずっと僕の中の隠しておきたい部分、触れたくない恥ずかしい部分として無視してきてゴメンね。


あの時の君がいたからこそ、今の私がいます。本当にどうもありがとう。


 38歳の田中雅俊より 」


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~肩に降る雨の冷たさは生きろと叫ぶ誰かの声


 肩に降る雨の冷たさは生きたいと迷う自分の声


 


 肩に降る雨の冷たさも気づかぬまま歩き続けてた


 肩に降る雨の冷たさにまだ生きてた自分を見つけた~



肩に降る雨/中島みゆき より


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※三年目のタナカ整体院も、どうぞよろしくお願いいたします。