『祝!社会復帰』 …のその後

先日『祝!社会復帰』で紹介させて頂いた患者さんが、職場復帰後、最初のケアに来られました。

さすがにかなりのストレスを抱えてくるだろうと、少し構えていたのですが、…どうやら調子は良さそうです(?)。
ツボ、経絡等の反応も、…悪くありません(??)。

話を伺って納得しました。
この方は胃を患って休職されていましたが、復帰後、予想していた通りストレスに襲われました。
そしてそれに対して、やはり以前のように焦って『イィーッ!!(自称“結構いらち”)』という反応を取られたそうです。
ただ以前と違ったのは、“その度に生じる背中の左側の痛みに気付いた”ということです。

(以下ご本人)
「~それでね、“これはいかん!”“これはなんかの合図や~!”と思って『イィーッ!!』っとなる度に、周りの人には悪いねんけど病み上がりの同情に便乗して(笑)、席を立ってトイレとかで落ち着いてから席に戻ってたんよ。それ2日間位やってたかなぁ。

そしたらね、段々『イィーッ!!』ってなることが自分であらかた予想できて、大分コントロールできるようになったのね!
つくづく私が『イィーッ!!』ってなる度に、胃が傷んでたんやってわかったわ。そら、病気にもなるわって…。

タナカくん(こう呼ばれてます)のいうてたことホンマやねぇ。
な~んで今までこんな事に気付かへんかったんやろう…!?」

「…スゲェ~!!」

思わず患者さんの変化に“素”のリアクションを取ってしまいましたが、その背部痛が出ていたという部位を確認すると、“胃兪(いゆ)”“胃倉(いそう)”というその名の通り、確かに胃に関係の深いツボの近辺でした。

この方は療養中、瞑想を取り入れるなど、今まで放ったらかしにしていた自分の身体と徹底的に対話をされたとのことです。

ご本人もお気付きのように、病気と診断される前にも、今回同様ダメージを受けた胃からは何らかのサインは出ていたと予想されます。
ただそれをご本人が受け取れなかった、もしくは無視していたのでしょう。
心身症の特徴の一つ、「失体感症」に当てはまりそうです。

いやぁ、転んでもタダでは起きませんでしたね。お見事です(スゲェ!!)。



「…車の運転をする人なら誰でも、スピードを出しすぎるとコントロールがきかなくなるのは知っていますね。ところが、人間の心も車と同じだということをわかっている人はあまりいないようです。」

スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=0limits-22&l=as2&o=9&a=4150502501』 エクナット・イーシュワラン著/ハヤカワ文庫より